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国分寺市議会議員・幸野おさむ 市政の真実に迫るブログ

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【65歳以上の高齢者のプライバシーを丸ごと収集、「高齢者福祉に関するアンケート」は危険すぎる!①】2017年5月議会・一般質問より

今号では516日の一般質問で取り上げた、市内に在住する65歳以上の高齢者に対して行われている「高齢者福祉に関するアンケート」の問題について記事にしたいと思います。

「個人情報の危険な取り扱い」や、プライバシー権の侵害」についての第2です。

※動画配信は↓コチラから(期限あり)

www.city.kokubunji.tokyo.jp

 

●高齢者福祉・介護保険の計画を作るための大規模なアンケート

「高齢者福祉に関するアンケート」は、高齢者福祉・介護保険の大本の計画である「第7期・介護保険事業計画」「高齢者保健福祉計画」を策定するためのアンケートとして、市内に在住する65歳以上の高齢者の方々を対象に行われたものです。

アンケートの種類は3つ。①「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」として、要介護認定を受けてない高齢者の方22789人(内訳は、一人暮らしの高齢者の方4701人、高齢者のみの世帯の方8248人、現役世代と同居の方8585人、要支援認定を受けている方1255人)への悉皆調査②「在宅介護実態調査」として、要介護認定を受けている在宅の方1100人③「意向調査」として、介護保険施設の利用者300人、介護保険事業者314事業者、介護支援専門員104人、介護職員418人、で、トータル25025人(うち314は事業者)という大規模なアンケートです。

※下記資料は「高齢者福祉に関するアンケート」「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」の記名ページ

 

●今回から個人情報を問答無用で収集することに

これらのアンケートについては、3年ごとに見直される計画の前提として、計画策定前には毎回行われてきましたが、今回については、これまでと全く違う体裁によって行われています。

何が違うのか。今回のアンケートの①「日常生活圏域・ニーズ調査」と、②「在宅介護実態調査」の合計23889人については、アンケートと一緒に「氏名・性別・生年月日・住所・電話番号」といった個人情報が収集されました。201711日現在の65歳以上の人口は26399人ですから、すべて回収された際には、実に90%の高齢者の方の個人情報・プライバシー情報が収集されることになるのです。

しかも、これらの個人情報は「本人の記名式」という形式になっておりましたが、本アンケートには国分寺市から発送される時点で、名前と住所と通し番号が記載された「宛名ラベル」が張られており、丁寧に「ラベルをはがさないでください」と念が押されているため、本人が個人情報を記名しなくとも、ラベルをはがさずに国分寺市に返送された際には、アンケートの内容と個人情報は完全に紐づけられている状態になっているのです。(※上記資料参照)

(★訂正<m(__)m> 一般質問中、私は介護保険の被保険者番号のラベルが張られて送られているようです」と発言していますが、介護保険の被保険者番号」ではなく「アンケートの通し番号」であり、私の誤認です。お詫びし、訂正いたします。)

また、これは予算特別委員会での議論によって中止されることになりましたが、アンケートの返答がない方に対して、市は民生委員の方に訪問を依頼し、返信の督促まで実施しようとしていました。

 

個人情報とセットで収集することにより、極めてセンシティブなプライバシー情報に

このアンケートの中身については、「家族構成」や「病歴」、「経済状況」「住まいの形態」「健康状況」「身長・体重」「食生活」「生活スタイル」「地域活動状況」「人間関係」「死生観」などなど、プライバシーにかかわる情報が、これでもかと言わんばかりに盛り込まれています。

それもそのはずです。3年ごとに見直される「介護保険事業計画」「高齢者保健福祉計画」は、介護保険や介護予防、高齢者福祉政策など、高齢者やご家族の方々を支えるための重要な計画です。

ですから私たち自身もこれらのアンケートの中身については、より市民の実態がつかめるようなアンケートにするべきだと求めてきました。

しかし、それはあくまで、個人情報と一緒に収集することを想定して求めてきたわけではありません。あくまで統計的に市民の実態を詳細につつかむことを、求めてきたのであり、そのことを把握しなければ、まともな計画が作れずに、高齢者福祉の計画が的外れになってしまうと考えてきたからです。

※下記資料は「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」の設問ページの一部

 

大体、「介護保険事業計画」「高齢者保健福祉計画」という市の大本の計画を作るのに、個人情報を集める必要などありません。

市は「高齢者個別の支援に必要だ」と答弁していますが、だとすれば、計画づくりとは切り離して行うべきだったと考えます。一緒くたに行ったことによって大変危険な状況になっているのですから。

明らかに無原則で行き過ぎた対応であることは間違いありません。