前号では、国分寺駅北口の屋根設置にあたり、市が「スロープや階段、サンクンガーデン(東側ESC・階段)に屋根を設置する考え方はない」と冷たい答弁をしたことについて記事にしました。
しかし、以前に策定されていた「前・北口交通広場修景図」では、北口から交通広場まで延びるスロープの上部に「シェルター(屋根)」を設置する計画を描いていたのです。
●以前策定された「北口交通広場修景図」にはシェルター(屋根)
前述の市答弁にあるように、現行の「最終・北口交通広場修景図」では、屋根が設置されるのはエレベーターの動線だけですが、その修正される前の「前・北口交通広場修景図」の動線計画では、スロープの上部にも「シェルター(屋根)」が設置される図面になっていました。(※下記資料参照)
※下記資料は市議会資料「前・北口交通広場修景図(変更前)」より抜粋
これは、国分寺駅北口再開発事業自体が「国分寺駅周辺まちづくり構想」の下で、明確に「バリアフリー重点整備地区に指定する」(バリアフリー基本構想制度に基づく)ことを目標に進められていた時代のものです。(※下記資料参照)
結果的には「バリアフリー基本構想」は策定されておらず「重点整備地区」も指定されていませんが、「前・北口交通広場修景図」自体は、障がい者や高齢者等の当事者の声を聞きながら策定されてきた経緯があり、当事者の声としてスロープ上部に屋根が設置される図面になっていたのです。
※下記資料は「国分寺駅周辺まちづくり構想」より抜粋
●「北口交通広場修景図」の変更で屋根がなくなる
しかし、このようなプロセスを辿り策定されたはずの「前・北口交通広場修景図」でしたが、その後に警察や消防との協議が行われた際に、「図面」の大幅な変更が余儀なくされます。
「パトカーや消防車、救急車などの緊急車両がなるべく再開発ビルに接近して駐車できるように」ということで、交通広場へ向かうスロープの動線が変更されてしまったのです。(※下記資料参照)
その結果が、今回整備された屋根のない「スロープ」となってしまったのです。
※下記資料は市議会資料「最終・北口交通広場修景図(変更後)」より抜粋
●当事者の声「バリアフリー基本構想」の重要性
私は強く主張しました。「障がい者や高齢者の方々、すなわち当事者の方々の声を丁寧にくみ取らなければならない。そして、そのことを保証するのがバリアフリー法に基づくバリアフリー基本構想だ」ということを。
その上で・・
幸野「今後、『北口交通広場』の整備や、熊野神社通りまで抜ける『国3・4・12号線』や『駅前通り』整備に向けて『バリアフリー基本構想』を策定して進めるよう求める」と質問。それに対し市は・・
まちづくり部長「国分寺駅周辺まちづくり構想で『バリアフリー基本構想』の考え方を示している。必要性は認識しているが、即作っていくかどうかは(改正バリアフリー法の)マスタープランの考え方を踏まえ考えていく」と答弁しました。
この答弁を聞く限り、市はバリアフリー基本構想の策定を否定していないようにも聞えます。
しかし「国分寺駅周辺まちづくり構想」は、今から11年前の2007年8月に策定された代物です。
その後2回も根拠法であるバリアフリー法が改正される等、さらなる進化を遂げています。
にもかかわらず、バリアフリー基本構想の策定に全く取り組んでいないところに市の姿勢が表れています。
今後、改正バリアフリー法の下での「バリアフリー基本構想及びマスタープランの策定」を早急に求めて取り組んでいきます。
※過去の関連する「ここ幸!」記事は↓コチラ
障がい者や高齢者、ベビーカー利用者等、バリアフリー当事者の視点が欠けている原因は「バリアフリー基本構想」を策定していないから。改めて策定を求めたところ、市は「即作っていくかどうかは改正バリアフリー法の考え方を踏まえて考える」と未だ及び腰。交通広場や駅前通り、3・4・12号線もヤバい😅 pic.twitter.com/EzWAujSHqc
— 幸野おさむ (@osamukono0901) June 6, 2018