今回を含め、全7回にわたって【前提条件が崩壊している国分寺市公共施設等総合管理計画=公共施設マネジメントを問うシリーズ】を展開してきましたが、今回のシリーズによって、「人口動態認識」の誤算や「財政状況認識」の誤認に加え、「公共施設等の状況認識」や「今後のコスト試算」までもが大誤認・大誤算であるということが、読者の皆さんにはご理解いただけたのではないかと思います。(※下記資料参照)
まさに、「公共施設等総合管理計画」(以下:総合管理計画)の【前提条件は完全に崩壊】していると言ってもよろしいのではないでしょうか。
※下記資料は「幸野おさむ」作成の「公共施設等総合管理計画の4つの前提条件はすべて崩壊」パネル
●「節減」→「維持」→「造る」へと、矛盾に満ち満ちた答弁に追い込む!
これらの指摘に対し、市は、5月16日の市議会・一般質問での私の質問にこのように答弁しています。
幸野「今までるる指摘してきたが、『人口問題』や『財政問題』、そして『公共施設の現況認識の問題』等々、これら以外の前提条件も、議論の中で『おかしいのではないか』と問題点を指摘してきたが、やはり『すべての公共施設の修繕・更新を行うことは難しい』と言って『公共施設を統廃合する』という方針というのは、間違えているのではないか。私は(総合管理計画を)抜本的に見直して、『不足している公共施設を拡充させていく』という計画にするべきだと考えるがいかがか」
行政改革等担当部長「行政(国分寺市)としては、『統廃合』ではなく、今の水準は維持し、『複合化・多機能化』することによって、1つに集約することによって、経費の『節減』を図る。それによって毎年度かかる費用の軽減を図っていく。確かに、先ほど(幸野議員が)言われた通り(公共施設の床面積は)全国水準から低い状況にあるかもしれないが、それでも今現状の中は『維持』していく。そのうえで、その時々で必要な施設については、計画に則る則らないは別として『造らなければならない』という認識だ」と答弁しました。
●「維持・削減」と「複合化・多機能化」とのセットはまさに『統廃合』
今回の担当部長の答弁のように、市の答弁や、他会派の議員の質問の中では、いまだに「『統廃合』ではなく、『複合化・多機能化』だ」という主張が、出されています。
確かに「総合管理計画」の中では『統廃合』という言葉は使用されていません。
ただ、この間明らかにしてきたように「総合管理計画」における「市の公共施設等の維持・更新を考える上での課題」の中では「すべての公共施設等の修繕・更新を行うことは難しい状況です(現在の公共施設を、そのままの配置状況で、すべて更新することは不可能です)」としたうえで、「基本的考え方2」において「公共施設の更新時においては複合化や多機能化を原則とします」としており、これをまともに受け止めるならば、少なくとも「複合化・多機能化」によって、公共施設を充実させるという意味ではないことになります。
となると、今回の担当部長の答弁のように、例え「削減」までは強行することは出来ずに、「今の水準を維持」するにとどめることが出来たとしても、「基本的考え方」において『複合化・多機能化が原則』としているわけですから、事実上『統廃合』するしかない計画になっているのです。
また、市は昨年9月に「総合管理計画」に基づいた「(仮称)国分寺市公共施設適正再配置計画・骨子」なるものを策定しましたが、その中では、市内に唯一つしかない「市民プール」を「第九小学校のプール」と『統廃合』する案を示しました。
利用者や市民の方々、そして私たちも必死で声を上げ続けた結果、「市民プール」と「第九小学校のプール」を『統廃合』する案は「棚上げ」させることができましたが、国分寺市の狙いが「明確」に『統廃合』であることが浮き彫りになった一幕でした。(※下記資料参照)
・・・と、このように、いまや「『統廃合』ではなく、『複合化・多機能化』だ」という主張は、およそ信ぴょう性がなくなっていると言っていいでしょう。
まあ担当部長は「統廃合ではない」と言いながら「1つに集約することによって、経費の節減を図る」(「一つに集約」=これは『統廃合』そのもの)とも「明確」に答弁しちゃっているんですけどね(^_-)-☆
※下記資料は「公共施設適正再配置計画」P17「先駆的事業案」より抜粋
●ついに計画の縛りを解き放つ答弁も!と同時に計画自体の是非も問われることに!
また担当部長は「その時々で必要な施設については、計画に則る則らないは別として造らなければならないという認識だ」ということも答弁いたしましたが、これは非常に有意義な答弁だと捉えています。
この答弁により「総合管理計画=公共施設等マネジメント」によって、各部署にかけられていた「新規施設の増設は難しい」といった計画の縛りを、答弁上において突き破ることができたと言っていいでしょう。
これまでも「学校の教室不足問題」や「学童保育所の不足問題」など、個別の施設において、現実と事実に基づいて追及してきた結果、井澤市長を動かし、(不十分ではありますが)一部増設を実現させることができました。
そのうえで、この「総合管理計画」に基づいた「全体的な縛り」さえも「無意味」にさせることが出来るような、「担当部長」の答弁を引き出すことができたことは、更なる大きな前進だと言えると思います。
しかし、一方でこの答弁が意味するものは「総合管理計画」が述べている「すべての公共施設等の修繕・更新を行うことは難しい状況です(現在の公共施設を、そのままの配置状況で、すべて更新することは不可能です)」「公共施設の更新時においては複合化や多機能化を原則とします」などという結論について、自ら否定しかねない中身になっていることも事実です。
そう考えると、やっぱり、この「計画自体・・・『全面的に見直す』、もしくは『撤回』するしかない」と結論付けられるのではないでしょうか。
●井澤市長陣営の「公約」に「公共施設の拡充」が書き込まれる!
実際問題、今回の市長選挙に向けて配布されている「井澤市長のビラ」においても「井澤市長にもっとやってもらいたい」項目として「老朽化した公共施設を計画的に整備」という文言に加え、「学校行事が行える規模の市民ホール建設や体育施設の拡充」「2020オリンピックパラリンピックの機運醸成と施設整備」「市民温水プールの継続」「保育園、学童クラブと学校施設の増設」といった「公共施設の拡充」に向けた「公約」が書きこまれました。(※下記資料参照)
井澤市長陣営の「公約」に、ここまで書かせることができたのは、市議会内外における必死の追求が井澤市長を追い込んだ結果だと考えています。
一方で「高齢者施設」や「障がい者施設」「公園」などの整備は盛り込まれませんでしたが・・。
※下記資料は「未来を創る国分寺市民の会」発行の「井澤市長のビラ」より抜粋(赤矢印は幸野が加筆)
ただし、これまで問題にしてきたこの「公共施設の不足問題」について、今回の市長選挙の「争点」になっているかどうかについては微妙な状況です。
・・・まあ「争点」になるかどうかは別にして、「市議会議員」として、引き続き全力を挙げて市民の願いを実現させるために奮闘するしかありませんがね・・。今は。
★とりあえず今回のシリーズ【前提条件が崩壊している国分寺市公共施設等総合管理計画=公共施設マネジメントを問う】については、いったん終了にしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました<m(__)m>
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