今回の決算状況を見て、改めて「国分寺市の財政状況が着実に改善している」ことが、「ハッキリしてきた」と言えると思います。
したがって、市から「財政が厳しいから・・」とか「国分寺市にはお金がないから・・」などと言われても、私自身としては、市民のために必要な事業は諦めずに主張していきたいと思います!
●市の貯金「基金」は着実に増加、一方で市の借金「地方債」は減少
平成28年度・国分寺市一般会計と特別会計の合計決算では、市の貯金にあたる「基金総額」は1年前に比べ+8.9億円増加し「57.2億円」になり、「庁舎建設資金積立金」を5年ぶりに復活させています。(※下記資料参照)
市の借金にあたる「地方債」の総額は、1年前に比べ−25億円減少し「380億円(このうち約半分は「下水道事業」と「国分寺駅北口再開発事業」関連)」になりました。
※下記資料は「国分寺の決算資料」「基金・地方債の推移」より(クリックで拡大)
これらの財政力を総合した「財政力指数」については単年度で「1.026」、3カ年平均でも「1.008」と、いずれも上昇し、財源に余裕があるとされる「1」を双方とも上回る結果でした。(※下記資料参照)
一方で、「経常収支比率」については「92.9%」と、2%悪化しましたが、その内容を見てみると、「国民健康保険特別会計」の累積赤字を解消するために投資した予算や、国からの各種交付金が減少したこと等が要因であり、今後に響いてくるものではありません。しかも悪化したと言っても毎年約20億円は「投資的経費」に財源を回せる状況は維持しております。
そして借金に伴う後年度の財政負担を示す指標「公債費比率」については「2.7%」で、0.2%改善しています。
※下記資料は「国分寺の決算資料」「財政力指数・経常収支比率・公債費比率の推移」より(クリックで拡大)
●「財政健全化」の要因は「井澤市長の実績ではなかった」ことが明らかに
これらの数値について、一部の方たちから、特に市長選挙を前後して「井澤市長の実績」として叫ばれてきた感がありますが、実態は違います。
私が市議会・決算特別委員会で請求した資料「①過去4年間に国分寺市が取り組んできた行財政改革政策一覧及び各政策の効果額」(資料の題名は「行政改革実施プラン対象項目」)によると平成24年度〜平成27年度までの財政効果額の合計は「8億2793万円」となっています。
しかし、これだけでは過去4年間の「基金増額分」や「借金減少分」には到底届かない金額です。
つまり、井澤市政が取り組んだ行財政改革の効果額だけでは説明できないほど「財政健全化」が進んでいるのです。(※下記資料参照)
※下記資料は幸野請求の「①過去4年間に国分寺市が取り組んできた行財政改革政策一覧及び各政策の効果額」(資料の題名は「行政改革実施プラン対象項目」)」より(赤線は幸野が加筆)(クリックで拡大)
しかも、この政策一覧のうち「職員数の適正化」の効果額については、2段上の「アウトソーシングの推進」とセットで「3億円余り」と表示されていますが、実はこの金額「アウトソーシングした際の職員人件費の削減額」のみしか計上されておらず、「アウトソーシングする際の事業者などへの委託費」が計上されていないことが明らかになっています。
過去に「保育園の民営化問題」(※下記過去ブログ参照)記事で書いたように、アウトソーシングしたからと言って、必ずしもコストが削減されるわけではありません。逆にコストが増加している可能性も十分にあるのです。
その「アウトソーシングする際の事業者などへの委託費」が計上されていない金額だというのでは、この効額自体を認めることすらできないのです。
また「公債費の軽減(高金利債の借り換え・繰り上げ償還)」としてやはり「3億円弱」の財政効果額が表示されていますが、これについては前々市長の時代から実施されているもので、特に井澤市長が実現させた行財政改革ではありません。
・・・と、このように井澤市長の政策によって「財政健全化」された実績を詳細に見てみると、見るべきものはあまりないことが浮き彫りになってきます。
そこで私は、委員会の中で「確かに財政状況が数値的には良くなっているが、政策によって改善した部分というのはこの表だけという理解でいいのか」と念を押して確認しましたが、担当課長は「お示しをしている通り」と答弁したのです。
それではなぜ、「財政健全化」がこれだけ進んだのでしょうか。
続きは次回②へ